こんにちは、Akitoです。
2025年3月、以下のようなニュースがありました。
このケースでは、繁忙期の最も忙しい時期に、人気の朝イチトラックを手配しようとしたことなど、いくつかの要因が重なり、この金額になったようです。
そのため、仕方がない部分もあると思いますが、いくら何でも100万円超えはびっくりしますよね。
このケースが適正だったのかそうじゃなかったのかは分かりませんが、実はそもそも引っ越し業界自体、かなり“ぼったくり”が多い業界なのです。
もちろん、ぼったくりをしない業者もいますし、上記のように繁忙期であったり、距離や荷物の量によって高額になることもあるため、一概にぼったくりとは言えません。
しかし、見積もり時に高めの金額を提示し、断られそうになると大幅に値下げする――こうした“ふっかけ”と値引き交渉が、半ば業界の常識となってしまっています。
利用者側が適正価格を把握していない場合が多いこと、そして、安くしたところで引っ越し自体が頻繁にあるものではなく、リピーターになりづらいという背景があるからだと思われます。
悪徳な業者の場合、本来の適正価格より10万円ほど高く請求してくることもあり得ます。
最安でなくても、少なくともぼったくられないためにはどうすればいいのか。
それを今日、私の実体験も交えながらお話しできればと思います。
大きな会社でも安心できない“ふっかけ文化”
先ほども少し触れましたが、引っ越し業界では“ふっかけ”が常態化しています。
もちろん、最初から適正価格を提示してくれる優良業者も存在します。
しかし、誰もが名前を知っているような大手業者でさえ、平然と最初は高額な見積もりを出してくるのです。
そして、こちらが「うーん」と悩んでいると、「じゃあお客様だけに特別に何とかできないか、上司に相談してみます!」などと言って電話をかけ始め、「特別に、今回に限り、今すぐご決定いただければ〇〇円で対応できます」などと言ってきます。
これ、最初から茶番です。そういう風にやるようマニュアル化されているのかは分かりませんが、これを目の前でやられたという話は実によく耳にしますし、私が見積もりを取った大手はすべてこれをやってきました。
私の時は実際に電話をかけていたようですが、電話をする“ふり”のこともあるようです。
私の時は、誰もが知っている引っ越し業者の「K社」が最初に来ました。
その営業の方は作業着のような服装で、あまり清潔感がなかったことを覚えています。
家具を一通り確認してから、目の前で膝をつき、「他社でもお見積もりを取られていますか?」と聞いてきました。
この質問自体、本来おかしいですよね。他社がいくら提示していようが、自社の見積もりとは関係ないはずです。
私は、Googleマップで見つけた安いと評判の小さな引っ越し業者「S社」の見積もりを取っていたので、「S社は6万円くらいでした」と伝えました。
するとK社も、「これでどうでしょうか」と、同じく6万円ほどの見積もりを提示してきました。
時期も繁忙期ではなかったので、二人世帯としては妥当な金額ではありますが、単にS社の見積もりに合わせただけのように感じました。
なぜなら、S社の見積もりはエアコンの着脱費用も含まれて6万円台だったため、それを伝えると「分かりました。せっかくのご縁なので上司に確認してみます。」と言い、最終的には「引っ越し費用35,000円、エアコン着脱費用35,000円程度」の見積もりを提示してきたからです。
そして、「今ご決定いただければ、この見積もり金額にいたします。」とのこと。
つまり、最初の提示金額からほぼ半額になったわけです。
このとき、私は「安くしてもらえてよかった」ではなく、「できるなら最初からその金額を提示してよ」と正直思いました。
なぜなら、最初に提示された金額は、実際に提供可能な金額のほぼ倍だったということになりますから。
結局、私はこのK社は利用しませんでしたが、このように最初の提示額から大きく下がるケースは珍しくありません。
裏を返せば、Googleマップで見つけたS社は、最初から適正かつ良心的な金額を提示してくれていたということになります。
つまり、「大手でも安心できない」のではなく、「大手こそ平気でふっかけてくる」と思っておいた方がよいかもしれません(中小の引っ越し業者でも悪徳業者は多いと思いますが・・・。)
少なくとも、私が見積もりを取った大手数社は、いずれも交渉によって大幅な値引きをしてきました。
相場はどのくらい?
大手の引っ越し業者でも、平気でふっかけてくることがわかりました。
では実際の相場はどのくらいなのでしょうか。
以下は、SUUMOのサイトから転載した引っ越し費用の平均額です。
【繁忙期(2~4月)における単身者の引越し価格相場】
単身者
(荷物小)単身者
(荷物大)全平均 平均
61,131円平均
82,148円~15km未満
(同市区町村程度)平均
45,893円平均
62,318円~50km未満
(同都道府県程度)平均
51,626円平均
68,070円~200km未満
(同一地方程度)平均
66,981円平均
90,458円~500km未満
(近隣地方程度)平均
82,848円平均
114,908円500km以上
(遠距離地方程度)平均
99,820円平均
137,194円【通常期(5~1月)における単身者の引越し価格相場】
単身者
(荷物小)単身者
(荷物大)全平均 平均
47,878円平均
59,940円~15km未満
(同市区町村程度)平均
38,853円平均
50,859円~50km未満
(同都道府県程度)平均
41,679円平均
52,222円~200km未満
(同一地方程度)平均
52,739円平均
67,713円~500km未満
(近隣地方程度)平均
65,933円平均
86,087円500km以上
(遠距離地方程度)平均
81,359円平均
106,273円【繁忙期(2~4月)における家族の引越し価格相場】
2人家族 3人家族 4人家族 5人家族以上 全平均 平均
104,613円平均
129,892円平均
165,145円平均
215,303円~15km未満
(同市区町村程度)平均
82,516円平均
105,212円平均
126,935円平均
153,827円~50km未満
(同都道府県程度)平均
94,604円平均
118,941円平均
151,446円平均
193,501円~200km未満
(同一地方程度)平均
128,557円平均
144,836円平均
191,444円平均
253,189円~500km未満
(近隣地方程度)平均
165,055円平均
208,273円平均
257,692円平均
327,088円500km以上
(遠距離地方程度)平均
228,272円平均
286,161円平均
328,789円平均
401,878円【通常期(5~1月)における家族の引越し価格相場】
2人家族 3人家族 4人家族 5人家族以上 全平均 平均
78,412円平均
96,637円平均
119,752円平均
168,164円~15km未満
(同市区町村程度)平均
68,329円平均
84,551円平均
103,195円平均
144,249円~50km未満
(同都道府県程度)平均
74,713円平均
94,353円平均
123,024円平均
159,885円~200km未満
(同一地方程度)平均
90,438円平均
108,927円平均
143,722円平均
198,040円~500km未満
(近隣地方程度)平均
118,377円平均
150,447円平均
186,445円平均
236,494円500km以上
(遠距離地方程度)平均
161,364円平均
201,962円平均
239,536円平均
348,728円
これらはあくまで「平均額」であり、妥当な金額とは限らないことを覚えておく必要があります。
つまり、ぼったくられている人が多数いる中での「平均」なのです。
個人的な感覚としては、これら平均額の“半額”程度でも対応してくれる業者はあると思います。
実際、私たちは二人世帯で3万円台の引っ越し費用で済みました。
引っ越し先が同市内で近かったとはいえ、この金額は平均の半分程度です。
ぼったくられないためにはどうしたらいいのか?
先ほどふっかけ文化に触れた際に、引っ越し費用が大幅に安くなった理由を覚えているでしょうか?
そう、私は安い他社の見積もりを持っていたんです。
引っ越し業者にぼったくられないためには、複数社に見積もりを取り、業者同士に値引き合戦をさせるのが一番手っ取り早い方法です。
私はおすすめしませんが、人によっては複数の業者を同じ日の同じ時間に呼びつけて、全員にその場で見積もりを取らせ、最も安い業者に決めるという方法をとる人もいます。
私がこの方法をおすすめしない理由は、その場で業者同士が似たような金額に合わせてくる可能性があること、そして複数人の前で値下げ交渉を行うのは精神的なハードルが高いうえに、各業者の見積書の細かい内容をその場で確認するのは難しいと感じたからです。
個人的には、ネットやGoogleマップなどで安い個人業者や中小業者を探してまず見積もりを取り、その安い見積もりをもとに大手と順番に交渉していくのが良いと考えています。
もちろん、中小でも信頼できる業者であれば問題ありませんが、もし雑な業者だった場合にはトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。
私はこの方法で、最終的に大手の「A社」に3万円台の見積もりを提示させることに成功し、引っ越しを依頼することにしました。
妻も、大手という安心感に加え、冊子から壁や床の保護が万全な様を見て非常に気に入っていました。
すべてが順調に見えたこの「A社」でしたが……
実は、後に思いもよらない落とし穴が待っていたのです。
大手でもトラブル
「A社」に決めた私たちでしたが、いくつかのトラブルに見舞われてしまいました。
トラブル① 「聞いていない」洗濯機の設置費用
まず1つ目は、洗濯機の設置に関するトラブルです。
見積もりに来た「A社」の営業担当は、スーツ姿で清潔感のある青年でした。
そして見積もりの交渉の際には、一度外に出て「上司に確認します(という名の茶番)」という流れを経て、3万円台の低価格を引き出すことに成功しました。
実際には、Googleマップで見つけた業者よりほんの少し高かったのですが、大手の安心感を重視して決めることに。
また、エアコンの着脱作業は別業者が行うこと、その費用が約3万程度かかるという説明も受けました。
合計でおおよそ6万5千円程度の出費と記憶しています。
私は引っ越し業者をまったく信用していなかったため、念のため見積もりの様子をスマホで録音していました。
ところが、引っ越し日が近づいた頃、「A社」から最終確認の電話があり、こう言われました。
「エアコンの着脱は含まれますが、洗濯機の設置は別料金になります」
え?そんな話聞いてないんですけど・・・。
そう伝えると、「見積もりにはそう書かれています。」とのこと。
私はすぐに、名刺に書かれていた営業担当に電話をかけました。
すると、「説明したはずです。」「見積もりに洗濯機取り付けなしって書いてあります。」との返答。
やられた、と思いながらも、まだ自宅にいなかったため、まずは録音した音声を確認してみることに。
結果、エアコンの着脱については話していたものの、洗濯機には一切触れていなかったのです。
もう一度営業に連絡し、次のように伝えました。

まだ見積書は確認できていませんが、録音では洗濯機の話は一切出てきませんでした。もし書類に書いてあるというからで押し通すなら、それも仕方ありません。
でも、口頭で説明がなかったことでお客と認識が違ってしまっていたというのであれば、会社として何か考えた方がいいと思いますけど。
すると営業は「社内で検討し、対応を考えます」と応じてくれました。
帰宅してから実際に見積もりを確認すると、手書きで「洗濯機」と書かれており、
その後におそらく「トリツケ×」とカタカナで続いているようでしたが、走り書きのように汚く、極めて読みにくい。
これを根拠に「説明済み」とするのは、正直かなり無理があると感じました。
最終的に営業から連絡があり、
「洗濯機の取り付け費用を1万円から6000円に減額するか、
引っ越し費用から3000円の値引きとするか、どちらがよろしいでしょうか?」
と提案されました。
これ以上詰めて、引っ越し自体の予約をキャンセルされては困るため、私は洗濯機の取り付けを自分で行い、3000円の値引きを選びました。
洗濯機の設置はエアコンと違って比較的簡単で、自分でも取付できると考えたからです。
実際、少し手こずりましたが、自分で問題なく設置できました。
トラブル② 提携業者のしつこすぎる勧誘
2つ目のトラブルは、提携業者からの執拗な電話です。
名前は忘れましたが、仮に「D社」としましょう。
このD社は引っ越し業者である「A社」と提携しているらしく、インターネット回線の引っ越し手続きを代行します!と営業してきました。
私はauひかりを利用していたのですが、最初の電話で「お得に移転できますよ」と説明を受け、金額を尋ねてみました。
いったん電話を切って調べてみると、自分で手続きしたほうが少し安いことが判明。
そのため、自分で手続きを進めることにしました。
するとまた電話がかかってきて、あれこれ質問されました。
「自分でやった方が安そうです」と伝えても、また調べると言って電話を切り、さらに後日再び電話。
「同じ金額にするから、すべてお任せでやりませんか?」
――さすがに、うんざりです。
この時すでに、auひかりを継続するより他社に乗り換えた方が良さそうだったため、
「今後一切電話をかけてこないでください」
ときっぱり伝えました。すると、ようやく電話は止まりました。
あとでこのD社をネットで調べてみると……
出るわ出るわ、批判の嵐。
- 説明もないまま、不要なオプションサービスを勝手に契約させられる
- 知らないうちに、毎月の料金から自動で引かれていた
- 解約方法が非常に分かりにくく、電話もつながらない
――消費者センター案件では?というほどの評判でした。
確かに「A社」の見積もりの時に、
「弊社提携のD社からお電話があるかもしれませんのでご了承ください」
と言われた記憶があります。
でも、こんな悪質な業者と提携しているとは思ってもみなかったのです。
私は利用しなかったので大事には至りませんでしたが、お願いしていたらと思うとゾッとします。
トラブル③ エアコン着脱の“追加費用”
そして3つ目は、エアコンの着脱に関するトラブルです。
引っ越し当日、「A社」はさすが大手だけあって、床や壁の保護もしっかりしており、作業も非常に手際が良かったです。
たった2人であっという間に部屋が空っぽになり、本当に驚きました。
その2人とは別に、電気工事士の方がエアコンの取り外しに来ていました。
茶髪で少し長い髪の毛の30歳くらいの男性で、正直ちょっと不潔なヤンキーっぽくて印象はよくありませんでしたが、外見は仕事に関係ないので、私は特に気にしていませんでした。
ところが、彼から突然こう言われました。
「ここ、2階なので高所作業料がかかります」
……は?
引っ越し業者である「A社」の営業は、見積もりを取りに実際にアパート2階のここに来ています。そして2階であることを承知のうえで見積もりを出しています。
しかも、追加費用の条件についても、印刷されたチラシ形式の紙で説明を受け、その上で3万円の着脱費用という見積もりが出ているのです。
こちらの落ち度はさすがにないと思い、私は意を決して伝えました。

営業の方はこの場所が2階だと分かったうえで、3万円の見積もりを出しています。ですから、追加費用の交渉をすべき相手は私ではなくA社です。私は見積もりどおりの金額を支払うだけなので、何かあるならA社に相談してください
私はこうした主張をするのは得意なほうですが、それでもヤンキーっぽい方に言うのはちょっと怖かったです。
幸い、その業者は「わかりました」と引き下がってくれました。
その後、荷物を積んだトラックが出発し、私たちも車で新居に向かいました。
しばらくして業者たちが到着。
引っ越し業者の方々は、引き続きてきぱきと作業をこなしてくれましたが……
エアコン業者は電話で激怒している様子。
「こんなことが今後も続いたら困るんですよ!」
といっていたのでおそらくA社にこのことでクレームを言っていたんだと思います、これを見て妻も少し怖がっており私も大変不愉快でした。
すべての作業が終わり、「A社」の作業員に見積もりどおりの金額をカードで支払い、引っ越しは完了しましたが――
正直、トラブル続きでかなり疲れました。
その後、元のアパートに戻って部屋の掃除まで済ませた私たち。
本当に自分を褒めてあげたいと思いました。もちろん、一緒に頑張ってくれた妻のこともです。
ぼったくりではない場合もある
ここまで読んで、まるで引っ越し業者の多くがぼったくりなのではないか、という印象を持たれた方もいるかもしれません。
確かに、引っ越し業界では、最初に高い金額を提示し、断られそうになると値下げするという営業が常態化している面があります。
しかし、そもそも高いと思っても場合によってはその価格が適正であることもあります。
繁忙期
先ほどの平均額を見てもらえばわかるように、2月・3月の繁忙期には、当然ながら料金は高くなります。
引っ越し業者も人手が足りず、多忙な中でスケジュールを組んでいるため、料金が上がるのは仕方のないことです。
この時期に引っ越す場合は、「繁忙期の中で相対的に安い業者」を探すようにしてください。
閑散期の価格と比べれば高いのは当然です。
時間帯
人気の時間帯は予約が集中するため、料金も高くなります。
とくに午前8時〜9時などの「午前中」は最も予約が入りやすく、料金も高くなる傾向があります。
理由は単純で、「午前中に引っ越しを終えて、午後にゆっくり荷ほどきをしたい」と考える人が多いためです。
考えてみれば当然のことで、夕方から引っ越して深夜に荷ほどきをしたい人はあまりいません。
裏を返すと、午後(13時〜16時頃)やフリー便(時間指定なし)は料金が安くなります。
ただし、引っ越し業者側の午前中の作業状況によっては開始時間が前後することもあるため、その点はあらかじめ理解しておく必要があります。
距離
これは当然ですが、遠方への引っ越しになればなるほど、料金も高くなります。
輸送時間、ガソリン代、高速代など、あらゆるコストがかかってくるためです。
たとえば5時間運転する場合、アルバイトで時給1,500円のスタッフであっても、一人当たり人件費だけで7,500円かかります。
この点に関しては、「距離が長ければコストがかかるのは当たり前」と思っておいてください。
荷物の量
荷物の量が多ければ、必要な人員も増えますし、より大きなトラックが必要になります。
運び出すのに時間も寄りかかるので、当然料金が高くなるのは避けられません。
まとめ:必ず複数社から見積もりを取り、細部を確認しよう
引っ越し業者は、大手であっても平気でふっかけてくることがあります。
それに私の場合は、エアコンの着脱費用が実際とは異なっていたり、洗濯機の取り付けにお金がかかることを事前に説明されていなかったり、悪徳業者と提携されたりしていました。
本当は会社名を出して注意喚起したいところですが、その業者が常態的にそうしているのか、あるいは私を担当した営業だけの問題なのか分かりませんし、訴訟リスクなどもあるため、残念ながら控えます。
いずれにしても、引っ越し業者には慎重に、余裕を持って対応することが大切です。
- 必ず複数社から見積もりを取る。
- 契約時は録音や証拠を取っておく。
- 見積書の細かい項目まで確認し、後からの追加請求を防ぐ。
上記を守れば、無用なトラブルを避け、場合によっては本来ふっかけられていた金額の半額以下で引っ越しをすることも可能になるでしょう。
多少手間がかかっても、納得した価格と内容で引っ越せるなら、やる価値は十分あります。
自分と家族の生活のスタートを、業者任せにしないようにしましょう。
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