資産運用って何?将来のためにあなたができること【その4】FX・仮想通貨・不動産は危険?投資初心者が避けるべき商品

マネー・資産形成
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これまでの記事では、NISA口座を活用した長期・分散・積立投資の大切さをお伝えしてきました。

すずめくん
すずめくん

長期目線でインデックスファンドをコツコツ積み立てよう!って話だったよね!

ふくろうくん
ふくろうくん

NISA口座での長期のインデックスファンド積立は、金融庁も推奨している合理的な資産運用の1つです。

しかしながら、投資対象となるものには不動産や暗号資産、時計やワインまで多岐にわたります。

投資にはさまざまな選択肢がありますが、「儲かりそう」と感じて始めた結果、損をしてしまうケースも少なくありません。この記事では、初心者が避けるべき投資商品とその理由をわかりやすく解説します。


不動産

投資すべきでないものとして最初に挙げていますが、誤解のないように言うと、不動産投資自体は非常に良い投資です。
良い物件を適正価格で手に入れられれば安定収益を生み出します。

ではなぜ今回、「初心者が手を出すべきでない」と断言するのかというと、下記のような事情があるからです。

1.専門性の高さ

不動産投資には、法律(借地借家法、建築基準法、民法など)税務(固定資産税、所得税、減価償却など)融資の審査基準、建物・設備の知識など、非常に広範な知識が必要です。
例えば、建物・設備の劣化を見抜けず高額修繕を迫られたり、税務を誤って利益が出ていると思っていたのに赤字になったりする危険があります。

2. 業界特有のブラックな側面

不動産業界では、「売ってしまえば終わり」というスタンスが根強く、初心者を狙った悪徳業者による物件販売が横行しています。
たとえば、築年数・立地とのバランスに疑問がある物件を“将来性あり”と称して売る、空室リスクや修繕リスクを軽く説明する、実態を隠して「今すぐ買わないと……」と急かす、などの手法が使われることがあります。
また、契約後の取消しや損害賠償の請求が難しく、被害に遭っても救済が難しいケースもあります。
これら悪徳な手口について書くと本が1冊書けるほどのボリュームですので今回は割愛しますが、非常に幅広く深い知識がないと簡単にだまされ、人生が大きく狂う可能性すらある、非常にブラックな業界なのです。

このように不動産投資は非常に複雑で幅広い知識を必要とするにも関わらず、悪徳業者が蔓延っており、大きな金額が動くため、場合によっては一度のミスで人生が大きく狂わされる可能性があります。
不動産自体は良い投資ですが、初心者には非常にハードルとリスクが高く、避けるべき投資先と言えます。

すずめくん
すずめくん

良い物件を持てればよい投資ではあるんだね!

ふくろうくん
ふくろうくん

そう、だけどその良い物件を初心者が買えることなんてまずないんだ。悪徳業者の甘い言葉にだまされないように。


仮想通貨(暗号資産)

2つ目に挙げるのが仮想通貨です。ビットコインやイーサリアムなど身近な存在になり、「億り人」と呼ばれる成功者もいますが、非常に投機性が高く、リスクが大きいため初心者にはお勧めできません。

価格変動が激しく、投資判断が難しい

株式や不動産には「指標(企業利益、資産価値など)」がありますが、仮想通貨にはそのような物差しがほとんどありません。歴史も浅いため、長期的に価値がどうなるかも予測が困難です。
加えて、市場規模が比較的小さいため、SNSやニュース、国家の規制強化などの影響で、数日で数十%の変動が起こることもあります。

税制が非常に不利

仮想通貨の利益は「雑所得」に分類され、給与等と合算して課税されます(総合課税)。
所得が増えるほど税率が上がり、損失を翌年以降に繰り越すことも原則できません。
例えば、ある年に100万円損しても、翌年に100万円儲かればその儲けに課税されます。
さらに、取引・交換するたびに取得価格を計算する必要があり、税務処理も複雑です。


このような理由から、仮想通貨は初心者にとって非常にリスクの高い選択肢です。

すずめくん
すずめくん

ただでさえ不安定なのに税金のリスクもあるなんて、リターンに見合わない気がするね……。

ふくろうくん
ふくろうくん

運が良ければ一攫千金もあるかもしれないけど、それってギャンブルと変わらないよね。


FX(外国為替証拠金取引)

FXもまた、初心者には慎重であるべき投資手法です。仮想通貨よりも税制は整備されていますが、リスクは依然として非常に高いです。

レバレッジ取引による超ハイリスク

「レバレッジ」とは英語で「てこの原理」を意味し、少ない自己資金(証拠金)を担保に、その何倍もの金額で取引できる仕組みです。
日本では最大25倍のレバレッジが可能で、例えば元手100万円で2,500万円分の取引ができます。
少額で大きな利益を狙える一方、相場が逆に動けば損失も一瞬で膨らみ、元本を超える損害を被る可能性もあります。

強制ロスカット・追証のリスク

強制ロスカット・追証とは?
  • 強制ロスカット
    損失が一定額を超えると、自動的に取引が終了し、その時点で損失が確定する仕組みです。本来は「それ以上の損失を防ぐための安全装置」ですが、急激な為替変動(フラッシュクラッシュなど)の場合、ロスカットが間に合わず、想定以上の損失が発生することがあります。
  • 追証(追加証拠金)
    ロスカットが間に合わず、元手(証拠金)を超える損失が出た場合、その不足分を追加で入金しなければならない制度です。つまり、投資額以上の損失=借金のような状態になる可能性があります。

過去にはスイスフランショック(2015年)やブレグジット(2016年)で相場が瞬間的に暴落し、強制ロスカットが追いつかず、数百万円単位の借金を背負った個人投資家が続出しました。短期的な為替変動を正確に読むのはプロでも困難で、わずかな判断ミスが致命的な損失につながるのがFXの怖さです。

レバレッジをかけなければリスクは抑えられますが、その場合は他の外貨建て資産など合理的な手段があり、わざわざFXを選ぶ意義は薄いと言えます。

すずめくん
すずめくん

25倍なんて、ほんの数円の変動でも大損しそうだね……。

ふくろうくん
ふくろうくん

まさに両刃の剣。レバレッジ取引による投機性の高さは、もはやギャンブルだよね。


株式の短期売買(デイトレード・スイングトレード)

株式投資そのものは当ブログでも推奨している投資先です。NISA口座でインデックスファンドを長期保有する手法は資産運用の基本であり、高配当株への投資も中〜上級者にとっては優良な選択肢となり得ます。

しかし「短期売買(デイトレード・スイングトレード)」となると話は別です。短期での株価の変動は仮想通貨やFXと同様に読み切るのはほぼ不可能で、初心者が安易に手を出すべきではありません。

すずめくん
すずめくん

でも、安く買って高く売ればもうかるんじゃないの?

ふくろうくん
ふくろうくん

本当にそうできるならね。でも、そう思って買った株がさらに下がることもあるし、高いと思って売った株がさらに上がることもある。短期的な値動きを読むのは本当に難しいんだ。

短期売買には以下のような高いハードルがあります。

  • 値動きのタイミングを正確に捉える高度なチャート分析・市場理解が必要
  • 株価を常に監視する時間と、損益の変動に耐える精神的タフさが求められる

これらがなければ「投資」というより「ギャンブル」に近くなってしまいます。
専業トレーダーですら安定して利益を出すのは難しいため、初心者はまず「長期・分散・積立」を基本としたNISAでのインデックス投資など堅実なスタイルから始めるのが安全で合理的です。


保険の金融商品(貯蓄型保険・投資型保険など)

近年では保険会社も、投資商品を積極的に販売しています。クリーンな商品を装い保険会社に勧誘されるため、安全だと誤認し契約してしまう人が後を絶ちません。しかし、実態としては下記のような複数の問題点があるのです。

主な問題点
  • 手数料・コストが高く、実利回りが低い
  • 途中解約で元本割れするリスク
  • 資金の流動性が低く、自由に引き出せない
  • 商品内容が複雑で、比較・評価が難しい
  • 保険部分の補償が非常に薄い

一部商品に至っては金融庁が注意喚起をするようなことも起きています。大損をするようなリスクは低いですが、クリーンな印象のある保険会社の勧誘のため、ぼったくりに気づきにくいという点で悪質性が高いです。実際には付帯している保険部分の補償は非常に限定的で、投資として見ても手数料が高く利益が少ない上に満期まで資金拘束もされるという、悪魔じみた商品が多いです。資産形成という観点で見れば、投資すべきではない商品と言えるでしょう。

詳しくは下記の記事で解説しているので、興味のある方はご覧ください。

すずめくん
すずめくん

ちゃんとした格好の保険のお姉さんに会社で勧誘されたし、投資も保険もついててお得じゃんって思って契約しそうになっちゃったよ・・・。

ふくろうくん
ふくろうくん

貯蓄型保険は保険の補償も薄いし、投資部分も全然利益が出ないから、実際には保険と投資を別々にした方が圧倒的に合理的な場合が多いんだ。っていうかすずめくんって会社員だったんだね・・・。


まとめ:初心者は変化球ではなく、まず基本を固めよう

今回紹介したものはほんの一部にすぎません。自動車、アクセサリー、腕時計、ワイン、絵画、NFT・・・ありとあらゆるものが投資対象となり得ます。

しかしながら、今回紹介したものもそれ以外の投資商品も非常に高度で幅広い知識が必要であったり、投機性(ギャンブル性)が高かったりして、初心者にお勧めできるものは多くありません。

また、中~上級者であっても、これらに投資するとは限りません。中~上級者であっても、NISAでインデックスファンドを積み立て購入するのが最も合理的になる場合も多々あるのです。

今回紹介したもの(不動産、仮想通貨、FX、株の短期売買、保険の金融商品)は、初心者にはリスクが高かったり、資産形成の上では合理性が低いため、手を出すべきではありません

今後、今回紹介したものの詳しい記事も掲載予定です。
専門的に学ぶ前の入り口として当ブログの記事を参考にしていただければ嬉しいです。

すずめくん
すずめくん

変わった投資に目移りしちゃいそうだけど、まずは土台を固めなきゃだめだね・・・。

ふくろうくん
ふくろうくん

その通り。最初はNISA口座を使ってインデックスファンドをコツコツ積み立てるのが、最も現実的で安全なスタートだよ。


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