【ChatGPT活用その5】ChatGPTは英語学習に最適

AI活用
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こんにちはAkitoです。

以前の記事でChatGPTは英語の勉強や翻訳に使えるという話をしました。
生成AIの発明以前からGoogle翻訳など、いくつか翻訳が可能なアプリケーションは存在していましたが、どれも翻訳機能が高いとは言えませんでした。

2025年現在でも、誤訳をするGoogle翻訳君。これでは単語の意味を調べる程度しかできません。

しかし、ChatGPTは今までの翻訳アプリケーションを圧倒的に凌ぐ翻訳能力を発揮します。

ChatGPTがどのくらいすごいのか、またどのように学習に活かすことができるのかを解説していきます。


ChatGPTの何がすごいの?

ChatGPTの何が優れているのか

先ほどChatGPTは今までの翻訳アプリケーションを圧倒的に凌ぐ翻訳能力を発揮すると言いましたが、これは言い過ぎではありません。

Google翻訳をはじめとした翻訳アプリは、文全体を一つのまとまりとしてとらえ、前後関係や文脈を考慮して翻訳を行うことが出来るため、従来に比べて非常に高い精度で翻訳が可能です。
Google翻訳にも「ニューラルネットワーク型機械翻訳(NMT)」というAI技術が使われているのですが、なぜかChatGPTより圧倒的に翻訳能力が低いです。
これは、Google翻訳が「別の言語に変換する」ことに特化したAIだからです。

一方ChatGPTは入力に対して「自然な文章を生成する」ことに特化しています。
つまり、ChatGPTは入力に対して最もそれっぽい自然な回答をすることに比重が置かれ、設計されているんですね。
人間的な言い方をすると、文章全体の意図を理解するということになり、自然と元の文と同じ意味になる翻訳、つまり意図が正確な翻訳につながっているということです。
(※分かりやすく「意図を理解する」と書きましたが、ChatGPTは大量の学習データから最も妥当(それっぽい)出力をしているという点には注意が必要です。厳密にはChatGPTは人間のような「理解」はしていません。)

皮肉なことに「別の言語に変換する」ことに特化したGoogle翻訳は、正確に訳す方に比重が置かれた結果、文章の意図までは理解できずに、言いたいことと違う翻訳結果を出力してしまうということにつながっているようです。

すごく簡単に言うと、Google翻訳はやや直訳的で、ChatGPTは文章の意図を推測して、最も伝えたいことに近い自然な英文を作成する、いわゆる意訳の能力が高いということです。

Google翻訳などの翻訳アプリとの比較

先ほどGoogle翻訳は直訳的で、正確な翻訳結果が得られないことがあるとご説明しました。
実際にGoogle翻訳とChatGPTの翻訳を比較して、どのような違いがあるのかを見てみようと思います。

今回は以下の文をChatGPTに翻訳、解説してもらいました。

He saw her duck.

これは「彼は彼女がしゃがむのを見た。」という意味ですが、duckはアヒルの意味もあるため、彼は彼女のアヒルを見た。という何かの隠語みたいな響きの文章に誤訳してしまう可能性があります。

実際にGoogle翻訳にかけてみると。

アヒルになってしまいました(笑)

一方ChatGPTの回答は以下の通りです。

完璧すぎる回答です(笑)

私の意図を理解し、「二つの意味を持つ文だから文脈次第で意味が変わる文だよね。」ということを解説しながら、「こういう文、他にも紹介しましょうか?」と提案までしてくれています。

ChatGPTが他の翻訳アプリケーションを圧倒的に凌ぐと私が言っていた意味が分かったと思います。

英語学習アプリとの比較

英語学習アプリは非常に優れています。

AIとの対話型チャットができたり、自動で文法や発音のチェックをしてくれたりと、多機能です。

特に音声認識機能が優れており、発音練習やスピーキング練習が充実しています。

ただ、英語学習アプリは一般的にカリキュラムに沿って学習を進める形式のため、あらかじめ用意されたシチュエーションや表現の範囲内でしか練習できないという側面があります。

これは効率的に基礎力を養うには適していますが、「この表現、英語でなんて言うんだろう?」といった突発的な疑問にはあまり対応できません

たとえば、「この間、石につまずいて転んじゃって、まだ膝が痛いんだよね」と言いたいとき、英語学習アプリのカリキュラム内にそのような表現がなければ、適切な言い回しを見つけるのは難しいでしょう。

その点、ChatGPTなら、ただ「こう言いたいんだけど、英語でどう表現したらいい?」と聞くだけで、以下のように自然な英文と解説を提供してくれます。

I tripped over a rock the other day and fell. My knee still hurts.

解説:

"tripped over a rock" = 石につまずいた

"the other day" = この間(数日前)

"and fell" = そして転んだ

"My knee still hurts." = まだ膝が痛いんだよね

さらに、「中学英語で教えて」「ネイティブが使う自然な言い方で」など、レベルやスタイルの指定も可能です。

英語を本気で学びたい人にとっては、英語学習アプリで基礎を固めつつ、ChatGPTで日常的な疑問や応用的な表現を補っていく、という併用が最も効果的な使い方だと言えるでしょう。


会話練習

ChatGPTはこちらの指定したシチュエーションでいつでも会話練習に応じてくれます。

今回は、教材ではあまり扱われないような、よりリアルな日常に近いシチュエーションでの会話練習を試してみます。
こうした柔軟な練習ができる点も、ChatGPTの大きな魅力のひとつです。

まずは以下のシチュエーションを想定してみます。

英語での会話練習をしたいです。
シチュエーションとしては、日本の焼肉屋さんにアメリカ人の友人と行った時です。
あなたがアメリカ人の友人役をしてください。私が日本人です。
まず、畳に座る個人の居酒屋風焼肉屋さんで、あなたが床(畳)に直接座るの?と私に聞くところから始めてください。

Of course!とかめちゃくちゃノリノリ

こんな感じに「とても自然な返答でした!」など評価をしながら会話をしてくれました。

ここまでは、そこまで変な英語がなかったようで修正されていませんが、少し不自然な表現があると、すぐに訂正し自然な英語の表現を教えてくれます。


英文添削

ChatGPTの英文添削・校正も素晴らしいです。

文法的に正しいかどうかもそうですが、シチュエーションによってカジュアルだったりフォーマルだったりの適切な文章にしてくれます。

また、指示することで、変更箇所も教えてくれます。
試しに英文を添削してもらいましょう。

下記のようなプロンプトをChatGPTに与えてみました。

英文添削をしてください。添削後、変更箇所と理由を教えてください。
No problem at all!I know you were busy.
This might sound misleading, but actually, I'm not just waiting for you every Saturday.
I always sit in a chair at my PC desk and doing some things in the morning.
Of course, it's because I want to talk to you.
But while I'm waiting, I also do other things, And if I have other plans, I just let you know that I can't talk that day.So yes, I wait for you — but I'm also doing what I want.So don’t worry!

こちらの文は、私が話す約束をしていた友達が通話に出なかった際に実際に送ったメッセージになります。
添削した後の例文を提示してくれているので、急いでいるときはコピペしてしまいがちですが、実は細かいニュアンスでChatGPTが勘違いをしてしまうことがあるので、一度文章がちゃんとご自身の意図通りになっているかは確認してください。
そういった間違いを回避するためにも、コピペではなく、文を見ながら自分で書き直した方がいいと思います。

そして、「添削後、変更箇所と理由を教えてください。」とプロンプト(指示)に入れていたため、どこを修正したかを詳しく教えてくれています。

自分でライティングをして、その文章の不自然なところをChatGPTに教えてもらうということを繰り返せば、変な言い回しのトライアンドエラーが何度もできるということになるので、より自然な英語を話せるようになるでしょう。


ライティング

文章生成AIの代表格であるChatGPTが、最もその力を発揮する分野のひとつがライティングだと言えるでしょう。
これは英語に限った話ではなく、日本語でも同様で、ChatGPTに適切な指示を与えれば、指示内容に沿った自然な文章を簡単に作成してくれます。
つまり、自分でいくつもの例文を探さなくても、必要に応じてすぐに提案してもらえるというわけです。

たとえばTOEICの学習中に、意味がよく分からない表現に出会った場合、ChatGPTに例文を作ってもらうことで、理解を深めることができます。
今回はその一例として、「insofar as」という表現を取り上げてみましょう。
「insofar as」は「~する限りにおいて」という意味を持ちますが、少し分かりにくい表現でもありますよね。

そこで、「“insofar as”を使った英語の例文をいくつか作成してください。」とChatGPTに依頼してみました。

1番の例文を見ると、“as far as”のような使い方ができそうですね。
それ以外の例文では、「〜の場合に限り」や「〜という条件において」といった、明確な範囲や条件を示す意味で使われているようです。

この表現はフォーマルで、日常会話ではあまり耳にしないため、単体で見せられても少し分かりづらい印象があります。
しかし、例文を見ることでかなり理解しやすくなったのではないでしょうか。

もちろん、例文だけでなく、もっと長い文章をChatGPTに作成してもらうことも可能です。
たとえば、こんな感じです。

「日本のアニメ産業の危機と未来」とかいう題名で、これでいけそうなほどのものを書いてくれました(笑)
一応下記に日本語訳を載せておきます。

日本語訳(約200語):

日本のアニメ産業は、世界中のファッションや映画にまで影響を与えるグローバルな文化現象へと成長しました。質の高いオリジナルコンテンツを作り続ける限りにおいて、アニメは今後も国際的な魅力を維持し続けるでしょう。スタジオジブリやMAPPAのような制作会社は、魅力的なストーリーテリングと独自のビジュアルスタイルによって、言語の壁を越えることができることを証明しています。

しかし、業界は内部に深刻な課題も抱えています。特にアニメーターの労働環境や過労の問題です。これらの問題が放置されたままである限りにおいて、業界の創造的な成果の持続可能性は危機に瀕しています。

NetflixやCrunchyrollといったストリーミングプラットフォームは、日本のアニメに新たな道を開き、視聴者層を拡大し、収益源の多様化にも貢献しています。しかし、より速く多くの作品を提供するというプレッシャーも高まっています。世界的な需要が高まっている限りにおいて、制作現場の人材を支える構造改革の必要性もまた高まっています。

結論として、アニメ産業の未来は国際的な拡大と労働者の公正な待遇を両立できる限りにおいて、明るいと言えるでしょう。そのバランスが取れなければ、現在の人気にもかかわらず、長期的な成功は損なわれるかもしれません。

こうやって見ると、2か所に「Insofar as」が使われているようです。
非常に自然に文章に組み込まれています。しかも、内容自体が普通に面白いです。日本のアニメ業界の労働環境がやばいみたいなことは、かなり言われ続けていますし、「Insofar as」が使われている以下の文。

Insofar as it continues to produce high-quality, original content, anime will likely maintain its international appeal.
「質の高いオリジナルコンテンツを作り続ける限りにおいて、アニメは今後も国際的な魅力を維持し続けるでしょう。」

この一文は日本のアニメ産業の未来への重要な視点を示しているように感じます。(私はアニメ産業にあまり詳しくはありませんが・・・。)

少し話がそれましたが、このようにChatGPTは「文章生成AI」の代表ともいえる存在ですから、やはりそのライティング(文章生成)能力は2025年現在、他の生成AIと比較しても非常に高い水準にあると言えます。

しかも、これで無料なので、英語学習に使わない理由がないと言えると思います。
※ChatGPTには有料プランもありますが、ここまで紹介してきたChatGPTの内容はすべて無料で可能な内容となっています。


文法解説

英語を学習していると、「なんでこうなるんだろう?」と思うこと、ありますよね。

そんなときは、ChatGPTに聞いてみると、文法の解説までしてくれます。

例えば以下のような文

There’s only so much an old lady like me can do on my own.
(年寄り一人では、もうどうしようもなくてねえ。)

どこで紹介されていたかは忘れてしまいましたが、どうやらこれはアニメ『葬送のフリーレン』のワンシーンのセリフのようです。
ひどい状態になってしまった勇者の像に対して、おばあさんがつぶやいた言葉だとか。

恥ずかしながら、私は初見だと「an old lady like me can do on my own.」はなんとなく分かったのですが、「There’s only so much」の部分がよく分かりませんでした。

そこでChatGPTに下記のように聞いてみました。

There's only so much an old lady like me can do on my own.
この文章の日本語での意味と、どうしてそういう意味になるのか文法解説をしてください。

「私のようなおばあさんが一人でできることなんて限られているのよ。」という意味の文だと分かりました。
元の日本語とは少し違いますが、それは英語に翻訳される際に意訳されているからですね。
この意訳が一因となって、文の意味が少し分かりづらくなっていたようです。

ここまで解説してもらうと完全に分かりました。

ChatGPTが言っていることがすべてですが、

  1. There’s only so much → これだけしかない(限られている)
  2. an old lady like me → 私のようなおばあさんが
  3. can do on my own → 一人でできること

つまり、

「私のようなおばあさんが一人でできることなんて限られているのよ。」

「年寄り一人では、もうどうしようもなくてねえ。」

こういうことだったんですね。

このように、分からないことがあったときには、ChatGPTがめちゃくちゃ細かく説明してくれます。


最後に

ここまでご紹介したように、ChatGPTは文章生成AIとして非常に高度な英語学習のパートナーとなってくれます。
ここで紹介した使い方すべてが今までになかったものです。
ChatGPT発明以前は、分からない表現があるとGoogle検索をして自分が言いたいことに最も近い例文をインターネット上で探し当てなければなりませんでした。
簡単な表現ならまだしも、複雑な文法やあまり一般的でない表現や、微妙なニュアンスなどは本当に探すのに骨が折れました。

しかし、今ではChatGPTに話し言葉で質問するだけで、自分のレベルに合わせた説明や例文を即座に得ることが出来ます。かつては英語上級者だけがたどり着けたような知識や感覚に、初心者でも手が届くようになったのです。

ChatGPTをはじめとしたAIがある現代に生まれた皆さんは、未だかつてないほどの学習の機会と効率に恵まれていると言えるでしょう。これを活用できた人とできなかった人とで、大きな差が出るのは自明の理です。

インターネット黎明期にはインターネットを批判し、インターネットで調べたことは知識にならないから紙の辞書を引いたり図書館に行くべきだと真剣に言っていた人がいましたが、今や調べものをするのに図書館に行くなどという非効率的なことをする人はいません。

スマートフォンが出始めたころにも、スマホなんて必要ない。スマホなんて健康に悪いと言っている人々もいました。

今、有能な人でインターネットやスマホを使わないことを選択している人がどれほどいるでしょうか。新しい技術は必ず批判する人がいますが、人の声には惑わされず、正しい知識を持ち便利に使っていくことが肝要だと私は考えます。

英語学習も同じです。AIという新しい技術を恐れず、むしろ積極的に使いこなすことで、これまでとは比べものにならないほど効率よく、深く学べる時代が到来しています。

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