資産運用という言葉をテレビやネット、SNSで見かける機会が増えました。
でも、「実はよくわかっていない……」という方も多いのではないでしょうか?
今回は「資産運用って何?」という基本から、将来のために今あなたができることについて、初心者向けにわかりやすくお話しします。

なんとなくは知っているけど、説明できないって人も多いかもしれませんね💦
資産運用とは?
簡単に言うと、資産運用は「自分の資産を効率的に増やしていくこと」です。
銀行に毎月少しずつ貯金をしている方もいると思いますが、銀行預金も広い意味では資産運用の一つです。
毎月コツコツと貯金することも、自分の資産を守り増やすための大切な方法といえます。

僕も毎月2万円預金してるから、広い意味では資産運用してるってことだね!
ただ、一般的に「資産運用」と言うと、銀行預金だけでなく、それ以外の金融商品――例えば株や投資信託、債券、不動産投資などを活用して、より効率的にお金を増やすことを指す場合が多いです。
なぜ銀行預金だけではダメなの?
銀行預金だけでもダメなわけではありません。堅実に貯金をしていくことも大切です。
しかし、現在は銀行金利がとても低く、お金を預けていてもほとんど増えません。
具体的には、メガバンクでは年利0.200%程度(2025年8月現在)。
100万円を預けても、増えるのはわずか2,750円にすぎません。これではなかなか資産を増やすことはできません。
そのため、効率的に資産を増やすためには株や債券などの金融商品を購入する、つまり「投資」をした方がよい、ということになるのです。

うーん……なんだか難しそう……。

少しずつ解説するから、今は“そういうものなんだ”くらいの理解で大丈夫だよ。
参考:2025年8月、銀行「預金金利」ランキングTOP3。5年定期は引き続き”大和ネクスト銀行”が1位:MONEY INSIDER | Business Insider Japan(2025年8月2日)
投資は危ないんじゃないの?お金が減ったらどうするの?

そうだそうだ!株とか不動産とかよくわからないけど、投資は危ないって聞いたよ!

多くの人が懸念しているのはこの部分だと思います。
投資はリスクを取ってお金を増やそうとする行為ですので、当然ながら完全に安全とは言えません。
株式に投資をすれば、株価が下がることで資産が目減りすることは当然起こり得ます。
しかし、ここで「やっぱり危ないんじゃないか!」と考えて思考停止してしまうのは少し早計です。
銀行預金にもリスクはある?
投資は危ないと思っている方、ちょっと待ってください。
あなたの銀行預金は本当に安全な資産でしょうか?
「銀行がつぶれたらどうするの?」という話ではありません。
なぜなら、銀行に預けたお金は1,000万円以下であれば「預金保険制度(ペイオフ)」によって守られているからです。
ここで言いたいのは別のリスク――インフレによってお金の価値が下がる可能性についてです。
額面は同じでも価値が下がるお金
最近は物価高騰や値上がりがニュースでもたびたび話題になっています。

僕の大好きなお米が倍の値段になってるって見たよ!

食料品以外にもたくさんのものが値上がりしているよね。
例えば、昔は100円で買えたハンバーガーが、今では190円出さなければ買えません。
物価が上がるということは、相対的に「お金の価値が下がっている」ことを意味します。
このように物価が上昇し、お金の価値が下がる現象を「インフレーション」と言います。
「インフレ」という言葉は誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。
あなたが10年前に貯金した100万円は、額面上は今も100万円のままです。
しかし物価が上がっているため、10年前に100万円で買えたものが、今では100万円では買えなくなっています。
額面は同じでもインフレによって資産の実質的な価値は減っているのです。

え!?じゃあ長い期間、銀行預金しているのは損ってこと!?

大損というわけではありませんが、お金の価値が下がっているので購買力は低下します。
例えば1万円で100個買えたハンバーガーが、今では50個ちょっとしか買えなくなっているんです……。
それでも投資の方が危ないのでは?

なるほど。銀行預金も損しちゃうかもってことは分かったけど、でも投資よりは安全でしょ?大きく損した人もいるって聞いたよ。
これは確かに正解で、銀行預金に比べれば株式投資の方が値動きが大きく、損をするリスクは高いと言えます。
しかし、長期目線で見れば、資産運用においては株式投資など銀行預金以外の金融商品の方が合理的な場合が多いのです。
S&P500の値動きから見る短期と長期の違い
下記は米国経済を代表する約500社の株価から算出される、米国の代表的な株価指数「S&P500」のチャートです。
短期の値動き
まずは短期的な値動きをご覧ください。

グラフの右側に進むほど株価が下がってしまっているのが分かります。
このように株価は短期的に見ると損をすることもよくあります。

ほら!やっぱり損するじゃん!
長期の値動き
次に、20年間の長期的な値動きを見てください。


なんか順調に上がっていっているように見えるね……。
ご覧いただければ分かるように、長期的に見れば株価は右肩上がり、つまり時間が経つほど上昇していることが分かります。
複数の金融機関や投資研究機関の調査によれば、15年以上S&P500全体に投資するインデックスファンド(投資信託)を保有すれば元本割れのリスクは非常に低く、20年以上になると過去に1度も元本割れしたことがない、というデータもあります。
もちろんこれは過去の実績であり、未来を保証するものではありません。ですが、長期目線で見た場合、損をする可能性は非常に低いと考えられます。
参考:
教えて虫とり先生(第3回): 金融庁ウェブサイト
はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック:金融庁ウェブサイト

ちなみに、インデックスファンド(投資信託)は“市場全体に分散して投資する仕組み”のことだよ。
短期売買と長期投資の違い
株式投資には、短期売買を繰り返して利益を狙う「デイトレード」や「スキャルピング」といった手法も存在します。
しかし、これらは非常に投機性が高く、ハイリスクな投資方法です。
資産運用という観点から見れば、短期や中期で売買するのではなく、15年、20年といった長期目線で株を保有することが、リスクを抑えた合理的な方法とされています。

なるほど!同じ株式投資でも、手法によって全然性質が違うんだね。

そう。短期売買を繰り返したり、短期目線で見れば損をするリスクも高いけれど、市場全体に投資できる優良なインデックスファンドを長期で持ち続ければ、多くの場合で銀行預金よりも合理的に資産を築けるんだよ。
まとめ:貯金だけでは効率が悪い
今回は、資産運用に関する最初の記事ということで、まずは銀行預金以外の金融資産の重要性についてお話ししました。
銀行金利が低い日本では貯金だけしていてもあまりお金は増えません。
その結果、インフレによってお金の価値が下がるスピードに負けてしまうのです。
一方、投資信託などのリスク資産を組み合わせることで、インフレに負けず、長期的に大きなリターンを期待することが可能です。
次回の記事では「具体的に何を買えばいいのか」について解説していきます。
投資信託やインデックスファンドなど、初心者が始めやすい投資商品について紹介する予定ですので、ぜひチェックしてください。
次回:資産運用って何?将来のためにあなたができること【その2】資産運用に選ぶべき投資先は?
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