以前の記事で、メガバンクや地方銀行を使うべきでない理由とネット銀行の利点について説明しました。
今や実店舗の銀行窓口はマイナスにしかならず、メガバンクや地方銀行はネット銀行に比べて損ばかりということは皆さんにご理解いただけたと思います。
では「ネット銀行がいいのは分かったけれど、どのネット銀行を使えばいいの?」という方に向けて、ネット銀行を比較してみました。
おすすめネット銀行
結論から言うと、私のおすすめのネット銀行は「住信SBIネット銀行」です。
私はSBI証券でNISAなどの投資を行っているため、住信SBIネット銀行との連携による使い勝手の良さを実感しています。また、純粋な利便性や手数料無料回数の多さという点でも、他行より一歩抜きん出ている印象です。
住信SBIネット銀行と比較するとやや見劣りするものの、「楽天銀行」も手数料無料回数の面では優秀です。特に楽天証券を利用している方であれば、楽天銀行との連携によるメリットも大きく、十分に有力な選択肢となるでしょう。
なお、なぜネット銀行と証券会社を連携させるとメリットが大きいのかについては、別の記事で詳しく解説する予定です。
今回は、他のネット銀行との手数料や使い勝手の比較を通じて、私の結論をご紹介していきます。
ATM引き出し手数料比較
現在はほとんどがキャッシュレス決済で済む時代になったとは言え、医療機関の一部や個人店、冠婚葬祭や学校関連費用等、まだまだ現金が必要な場面は多いです。
そのため、ATMの引き出し手数料の比較はお得なネット銀行を知るうえで大切です。
銀行名 | ATM出金手数料 | 無料回数(月) | 主な利用可能ATM |
---|---|---|---|
PayPay銀行 | 0~330円(ATMによる) | 3~10回(ATMによる) | セブン銀行、ローソン銀行、イーネット、イオン銀行など |
住信SBIネット銀行 | アプリでATM:無料 カード:110~330円 | 2~20回(ランクによる) | セブン銀行、ローソン銀行、イーネット、イオン銀行、ゆうちょ銀行など |
楽天銀行 | 220~275円(ATMによる) | 1~7回(ハッピープログラム等) | セブン銀行、ローソン銀行、イーネット、イオン銀行、ゆうちょ銀行など |
あおぞら銀行BANK支店 | ゆうちょ銀行ATM:無料 | 無制限 | ゆうちょ銀行、セブン銀行、イーネットなど |
ソニー銀行 | 0~110円(ステージによる) | 4回~無制限(ステージによる) | セブン銀行、ローソン銀行、イーネット、イオン銀行、ゆうちょ銀行など |
イオン銀行 | イオン銀行ATM:無料 他行ATM:110円 | イオン銀行ATMは無制限無料 他行ATMは5回まで無料(ステージによる) | イオン銀行、セブン銀行、ローソン銀行、イーネット、ゆうちょ銀行など |
PayPay銀行
PayPay銀行では、3万円未満だと月1回無料、3万円以上だと何回でもATMでの現金引き出しが無料です。
また、引き出しができるATMはセブンイレブン、ローソンやファミリーマートなどのコンビニATMが使えますので、24時間ATMからの引き出しに困ることはなさそうです。
ちなみに、一度3万円以上の現金を引き出し、3万円入金することにより、3万円未満でも手数料無料で何度でも引き出せるという裏技があったりします。(笑)
例:
4万円引き出し、3万円預けると、1万円だけ手元に残るため、1万円の少額を手数料無料で引き出せたことになります。
住信SBIネット銀行
私のおすすめネット銀行です。スマプロランクというランク制を採用しており、ランクが高いほどATM利用手数料無料回数が増えます。
参考:スマートプログラム | 住信SBIネット銀行
しかし、これはキャッシュカードを発行した場合の話です。
住信SBIネット銀行ではアプリを利用してATM出金ができ、必ずしもキャッシュカードを発行する必要はありません。
その場合は何度でもATMの手数料が無料なのです。
しかも、このアプリは出金の為だけのアプリではなく、残高確認、振り込み、その他諸々のほとんどの手続きがこのアプリ上で可能です。
楽天銀行
私の2つ目のおすすめネット銀行です。こちらも 「ハッピープログラム」 というランク制を採用しています。会員ステージに応じて、毎月のATM手数料無料回数が付与されます。
無料回数を超えた場合でも、3万円以上の引き出しであれば何回でも現金引き出しが無料です。
ATMもセブンイレブン、ローソンやファミリーマートなどのコンビニATMが使えます。
こちらも、3万円以上の出入金は手数料無料のため、PayPay銀行と同様の裏技が使えます。(笑)
とは言え、「ハッピープログラム」の会員ステージは10万円預けた時点で月一回無料のアドバンストになりますので、メインバンクとして使っている分にはそこまで困らないでしょう。
あおぞら銀行BANK支店
あおぞら銀行BANK支店は、あおぞら銀行の中でもBANK支店のみがネット専用支店として運営されている、やや特殊な形態の銀行です。
出金に利用できるATMは、セブン-イレブンなどのコンビニATMに加え、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などの都市銀行ATM、さらにゆうちょ銀行のATMなど幅広く対応しています。
ただし、ゆうちょ銀行のATMを除き、基本的に出金には手数料がかかるため、頻繁に現金を引き出す方にはコストがかかりやすい点に注意が必要です。
また、ゆうちょATMも24時間稼働しているわけではないため、利便性やATM手数料の面では、他のネット銀行に比べてやや見劣りする部分があると言えるでしょう。
ソニー銀行
ソニー銀行では、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなどの各コンビニATMに加え、ゆうちょ銀行やメガバンクのATMでも、「入金」はすべて無料で利用できます。
一方で「出金」については、楽天銀行などと同様にステージ制(「Club S」優遇プログラム)を採用しており、ステージに応じて毎月の無料回数が設定されています。
基本的には、月4回まで出金手数料が無料で、5回目以降は1回あたり110円の手数料がかかります。ステージが上がるほど無料回数も増加します。
ただし、このステージは預金残高、投資信託の保有額、住宅ローン、FX取引の有無などを総合的に評価して決まるため、単にステージアップのためだけにこれらのサービスを利用するのは、本末転倒と言えるでしょう。
参考:ステージ獲得条件|優遇プログラム Club S|ソニー銀行(ネット銀行)
イオン銀行
ショッピングモールであるイオンモールなどを展開しているイオングループが運営する銀行です。
イオンモールなどに実店舗があるので厳密にはネット銀行ではないかもしれませんが、インターネットバンキング機能が充実しており、ネット銀行的な性格が強いので、ネット銀行として紹介しています。
イオン銀行ATM以外に、セブン銀行をはじめとしたコンビニATM、ゆうちょ銀行などのATMでも出金可能ですが、イオン銀行ATM以外はイオン銀行のステージにより出金手数料無料回数が付与されます。
一番下のステージのブロンズならすぐに達成できると思いますが、ATM手数料無料回数は1回です。イオン銀行を利用するのであれば、イオンカードを作成し、ATM手数料無料回数が2回のシルバーを目指した方が便利でしょう。
しかしイオンカードは以前に下記のような事件を起こしているので、個人的にはイオンカードは契約したくなかったりします。
「イオンカードの不正利用が6月に発覚し、止めてほしいと依頼しても利用が止まることはなく、8月までに30万近く支払いました。口座を解約(公共料金などの支払いも変更することに)し、新たな口座を開いたのです…が、また不正利用。恐怖しかありません。そして全く連絡くれないイオン」
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/company/post_385590.html
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イオンカードについてやおすすめクレジットカードについては今後別の記事で解説していきたいと思います。
参考:イオン銀行Myステージ
振込手数料
ほとんどのネットバンクはATMや店舗での振り込みを提供していません。
基本的には振り込みはスマホやパソコンからのインターネットバンキングで操作することになります。
同行宛は他のほとんどの銀行と同じく手数料はかかりませんので、他行宛の時に手数料がどれだけかかるかを比較していきます。
銀行名 | 他行宛振込手数料(税込) | 無料回数・備考 |
---|---|---|
PayPay銀行 | 145円 | 給与受取等で月最大3回無料などの優遇あり |
住信SBIネット銀行 | 77円 | スマートプログラムのステージにより月1~20回無料 |
楽天銀行 | 145円 | ハッピープログラム等で月最大3回無料 |
あおぞら銀行BANK支店 | 150円 | 取引状況により月0~9回無料 |
ソニー銀行 | 110円 | Club Sのステージにより月1~11回無料 |
イオン銀行 | 110円 | Myステージにより月0~5回無料 |
PayPay銀行
PayPay銀行では、三井住友銀行のATMでキャッシュカードを使用した振り込みができるようです。しかし、その場合ATMの出金手数料+三井住友銀行の振込手数料がかかってしまいます。
せっかくのネット銀行なのでおとなしくインターネットバンキングから振り込みをした方がよいでしょう。
現在PayPay銀行では給与受取口座に設定したうえで、キャンペーンにエントリーすると、他行宛振込手数料が月3回まで無料になります。
しかし、このキャンペーンを利用しないと毎回145円の手数料がかかります。
前月の預金平均残高が3000万円以上だと手数料優遇があるそうですが・・・そんなに一つの銀行口座に預金するのは金額が高すぎるという意味でも現実的ではないですし、預金保険制度(ペイオフ)は1000万円までしか補償されないので、リスクという意味でも現実的じゃないでしょう。
住信SBIネット銀行
ATM引き出し手数料と同様、「スマプロランク」というランク制を採用しており、ランクにより振込手数料無料回数が変わります。
ランク2までならアプリをインストールしてログインするだけで達成できるため、月に5回は無料で振り込みができるということになります。
アプリをインストールしないと便利な機能の多くが使えないので、通常インストールすることになると思います。
そのため、普通にしていればランク2だと思って大丈夫です。
しかし、無料回数が超えてしまっても、住信SBIネット銀行の他行宛の振込手数料は77円と非常に安いのでそこまで負担にならないでしょう。
参考:スマートプログラム | 住信SBIネット銀行
楽天銀行
楽天銀行も同様に 「ハッピープログラム」 という会員ステージに応じて、毎月の振込手数料無料回数が付与されます。
残高が10万円以上あれば、とりあえず月に1回は無料で振り込みができます。
残高が100万円以上のVIPステージで3回無料で振り込みできますので、給与受取口座を楽天銀行などにしていれば、さほど難しくなく達成できる人も多そうです。
楽天銀行はViber送金、かんたん振込(メルマネ)、Facebookで送金という別のオプションもありますが、記事が複雑になってしまうため、通常の振込手数料について説明しています。
詳しくは下記を参考にしてください。
あおぞら銀行BANK支店
一応窓口があるあおぞら銀行BANK視点ですが、窓口に行くと非常に高額な手数料がかかるため、必ずインターネットバンキングの振り込みをしてください。
それでも、振込手数料は150円です。
一応優待サービスというものがあり、条件をクリアすれば振込手数料が無料回数が付与されますが、わざわざVISAデビットを使用したり、NISA口座を作って投資信託を購入したりする必要があるため、少しハードルが高いと思います。
ソニー銀行
ソニー銀行は、誰でも月1回までなら他行宛の振込手数料も無料です。
ATM引き出し手数料と同様、優待プログラムClub Sのステージによって最大11回まで振込手数料無料回数が付与されますが、ローンを組んだり投資商品を買う必要があったりとハードルが高いので、振込手数料無料回数のためにステージをあげるのは非効率的です。
参考:ステージ獲得条件|優遇プログラム Club S|ソニー銀行(ネット銀行)
イオン銀行
他行宛の手数料は110円ですが、こちらもステージによって無料回数が変わります。
最大はプラチナステージの月5回ですが、獲得条件が厳しいので、給与の受け取りとインターネットバンキングの登録をして、シルバーランクになるのが現実的なラインでしょう。
シルバーランクになれば月1回他行宛振込が無料です。
しかし、こちらも住信SBI証券や、楽天銀行に比べると、少し劣る印象です。
参考:イオン銀行Myステージ
まとめ
使えるATMの多さ、現金引き出し手数料の無料回数、振込手数料の無料回数などを総合的に考えると、住信SBIネット銀行が他行より一歩抜きん出ている印象です。
特に、全国のセブンイレブンATMで「アプリでATM」機能を使えば、現金引き出し手数料が何回でも無料という点は非常に魅力的です。
また、ランク2までは比較的容易に到達でき、振込手数料も月5回まで無料になるのも嬉しいポイントです。他のネット銀行もステージ制を採用していますが、多くの場合、ステージアップの条件が厳しかったり、ランクを上げても特典が少なかったりすることが多いです。
楽天銀行も次点として優秀で、楽天経済圏を活用している方や、楽天証券でNISA口座を開設している場合には、十分選択肢となる銀行だと思います。
しかし、特に理由がないのであれば、住信SBIネット銀行を選んでおけば現時点では間違いのない選択と言えるでしょう。
今後も銀行や証券会社に関する情報を発信していきますので、ぜひ他の記事もご覧ください。
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