入居費用が10万円安くなる!入居時の交渉の仕方と、そもそも交渉すら必要ないかもしれないという話

不動産
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こんにちはAkitoです。
今回は賃貸の入居費用についてお話ししていくきたいと思います。
賃貸の入居費用は時に高額となり、場合によっては家賃の6倍程度になってしまうこともあります
特に新築物件などでは、敷金に加えて礼金まで請求されることもあり、非常に高額になることがあります。

しかし、そんな入居費用が、もしかすると10万円以上安くなるかもしれません。
この記事では、入居費用を安くするためにどのように交渉すればよいのか、また、そもそも交渉をしなくても安くできる可能性についてご紹介していきます。


入居時の交渉とは?

賃貸への入居は、家を貸したいと思っている人(賃貸人・貸主)と、家賃を払って借りたいと思っている人(賃借人・借主)の間で、賃貸借契約という契約を交わすことで成立します。
契約ですから、どちらか一方の言いなりになる必要はなく、当然、交渉も可能です。

とはいえ、「何を交渉すればよいのか分からない」という方も多いでしょう。
「もう少し安くなりませんか?」や「家賃、もう少し下げてもらえませんか?」といった曖昧な交渉では、「無理ですね」と断られてしまうことが大半だと思います。

賃貸契約について何も知らない状態では、何をどう交渉すればよいのか分からないですし、相手は不動産のプロですから、漠然とした交渉では言葉巧みに丸め込まれてしまうわけです。

そのため、交渉を有利に進めるには、こちらも最低限の知識を身につけておく必要があります。


不動産会社について知ろう

まず前提として、不動産会社について知っておく必要があります。
そうでないと、効果的な交渉ができないどころか、交渉相手を間違えてしまうこともあるのです。

では、不動産会社にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。


1. 管理会社

管理会社とは、大家さんに委託されて賃貸物件の管理を行っている会社のことです。
場合によっては、この管理会社自体が物件の所有者であることもありますが、いずれにせよ、その物件の実務的な管理を行っているのが管理会社です。

設備の故障やトラブルがあった場合、あるいは退去時の連絡先もこの管理会社になります。
最近では、家賃の支払いを「保証会社」と呼ばれる別の会社に委託するケースも増えていますが、基本的には家賃もこの管理会社に支払う場合が多いでしょう。


2. 仲介業者

仲介業者とは、賃貸の仲介を行っている会社です。
管理会社が自社管理物件を直接案内することもありますが、内覧などで複数の物件を案内してくれるのは、一般的にこの仲介会社です。

ただし、仲介業者は家賃の決定権を持っていません。家賃を決めているのは、管理会社やその先の大家さんです。

そのため、家賃交渉をした場合、仲介業者は管理会社などに確認はしてくれますが、
仲介業者にとっては「入居するかどうか分からない人からの交渉」は手間がかかるだけなので、断られてしまうケースも多いのです。


入居費用はぼったくられていることが多い?

賃貸契約にかかわる不動産業者が2種類あることは、すでにご理解いただけたかと思います。
また、家賃交渉の際には「家賃を下げてくれたら必ず契約する」と伝えることが有効な交渉材料になることもお伝えしました。

家賃交渉はそのとおりですが、そもそも入居費用自体が“ぼったくり”である場合が多々あります。
つまり、本来請求できない項目を請求してくる仲介業者が少なからず存在するのです。

では、入居時にどのような項目が“ぼったくられている”可能性があるのか、一つずつ見ていきましょう。


敷金・礼金

敷金は入居時に支払うお金で、原則として退去時に返還されます。ただし、入居中に故意に又は不注意で部屋を汚したり、破損したりした場合には、その補修費用として差し引かれることがあります。
一方、礼金はただプレゼントです。「大家さんに住まわせてもらう感謝の意を表す」お金であり、返還はされません。

この敷金・礼金については、ごく稀に敷金・礼金のない物件であっても、仲介業者が請求してくるケースがあります。これは明確な違法行為・横領にあたるため、基本的には見られない行為ですが、過去には実際に発生した事例もあります。念のため、確認した方がよいでしょう。


仲介手数料

ぼったくられてる可能性 No.1 が、この仲介手数料です。

原則として、仲介手数料は「貸主(大家)・借主(入居者)それぞれから賃料の0.5か月分(+消費税)」までと法律で定められています。
つまり、家賃が8万円であれば、あなた(借主)からは4.4万円までしか請求できないはずです。

ただし、例外的に「借主が事前に承諾した場合」に限り、片方(借主または貸主)から 賃料1か月分まで 請求することが可能です。

にもかかわらず、ほとんどの仲介業者は特に説明もせず、当然のように家賃1か月分を請求してきます。

指摘すると、「大家さんからはもらえないので」などと説明されることがありますが、それは入居者に関係のない事情です。
合意がなければ、0.5か月分までしか請求できない という原則を押さえておきましょう。

とはいえ、「1か月分支払わないなら仲介しません」と言われるケースもあり、その業者を使うしかない場合は、やむを得ず支払わなければならないこともあります。


前家賃

これは契約月の日割り家賃や、翌月分の家賃などを指します。実際に発生する費用であるため、支払う必要があるものです。

しかし、交渉によっては「1か月のフリーレント(無料期間)」をつけてもらえることもあります。
入居を決めた際には、「1か月フリーレントをお願いできますか?」とダメもとで交渉してみるとよいでしょう。


火災保険

こちらも仲介業者や管理会社にぼったくられる可能性が高い項目です。
火災保険自体は、入居の際に加入が必須な場合がほとんどですが、「どの火災保険に加入するか」は本来、入居者の自由です。
仲介業者や管理会社が特定の火災保険を指定してくることがありますが、これは「独占禁止法」や「契約の自由」に反する行為です。
契約時に「指定の火災保険に加入しないと入居させない」と言われることもありますが、ここは強気に交渉していいポイントです。

また、指定してくるのが誰なのかも重要です。
管理会社が指定している場合、法律的にはグレー(というより本来はアウト)なのですが、「じゃあ入居はナシで」と言われる可能性もあり、それに対し法的に争うのは正直コスパが悪いです。
そのため、保険料がぼったくりでなければ、あえて受け入れてしまうのも一つの手ではあります。

ただし、気をつけなければいけないのは、全く関係ないはずの“仲介業者”が勝手に火災保険を指定してくるパターンです。
これは完全にアウトです。仲介業者はあくまで物件を紹介しているだけの存在ですので、そんなものを指定される筋合いはありません。
この場合は、はっきりと断りましょう。


鍵交換費用

この項目はセキュリティの観点から変えても良いですが、適正な金額かは確認するようにしてください。鍵の種類によっても変わりますが、防犯性能が高いディンプルキーシリンダーでも15,000~30,000円程度になります。
また、通常は鍵が前の入居者から返却されているので(合鍵などの可能性もありますが。)、必要なければ、「交換必要ないです」と伝えてもいいでしょう。


保証会社初期費用

今まで賃貸の契約には連帯保証人をつける場合が多かったのですが、最近は連帯保証人の代わりに保証会社と契約させられるのが一般的です。
保証会社に初期費用や月額保証料を支払うことで、入居者が家賃を滞納した際に大家側へ家賃が保証される仕組みです。

しかしこれは、あくまで大家や管理会社を守るための制度であり、入居者のためのサービスではありません。保証されているのは大家さん側であり、あなたの味方ではないということです。

初期費用の相場は家賃の50%、月額保証料の相場は1〜2%程度です。
あまりに相場からかけ離れていた場合には、他の保証会社への変更や、もしくは連帯保証人を付けるので保証会社をなしにしてもらえないかと交渉してみることはできると思います。

ただし、多くの場合は大家や管理会社があらかじめ提携している保証会社を指定し、借主はその保証会社を利用することが契約条件になっています。

そのため、交渉を受け入れてもらうのは難しい項目だと思います。


ハウスクリーニング費用

原則として、ハウスクリーニング費用は貸主負担です。
そのため、借主であるこちらに請求するのはお門違いです。
もしハウスクリーニング費用を請求されたら、「お掃除好きなんで自分で掃除するから大丈夫です。」と言って断るといいでしょう。
それでも、食い下がってきた場合は「ハウスクリーニングは原則貸主負担のはずなのでどうしても必要なら貸主側でお願いします。」と交渉してみましょう。


除菌消臭・消毒費用

絶対に断らなければならない項目その1です。これ、何もしていません。
除菌・消毒などとそれっぽいことを言っていますが、せいぜい除菌スプレーをシューッとひと吹きする程度です。

一応、経費として処理するために除菌スプレーだけは買っていたりします。
そのため、実際にこんな事件まで起こっています。

参考:札幌不動産仲介店舗ガス爆発事故

これは、除菌・消臭スプレーを買ったまま放置し、店舗に120本もためこんでいて、店舗改装の際に「中身を空にしよう」と一気に噴射したところ、引火し大爆発したというものです。

120本も溜めて大爆発って、どれだけ“何もしてなかった”かがわかりますよね。

つまり、実際には何の作業もしていない場合がほとんどです。ですから、こういった項目は絶対に断りましょう。
そもそも、入居前にはハウスクリーニングが入っているのが通常なので、除菌も消臭もまったく必要ありません。
これは仲介業者の“お小遣い稼ぎ”です。しっかりと「不要です」と伝えるようにしましょう。


防虫費用

絶対に断らなければならない項目その2です。これも、正直言ってほとんど何もしていないと思っていいでしょう。

何かやっているとしても、市販の殺虫スプレーをシューッと撒いて終わり、というレベルです。

「防虫」と聞くと、何か特別な施工や薬剤処理をしてくれそうに思えますが、実際にはそんな手の込んだことは一切していません。
そんなものにお金を払う必要はまったくありませんので、はっきりと断りましょう。


書類作成費

絶対に断らなければならない項目その3です。
ここまで色々な費用について紹介してきましたが、基本的に仲介業者があなたに請求できるのは「仲介手数料」だけです。
この仲介手数料が仲介業者の報酬の全てですので、書類の作成にかかる人件費や紙代、印刷代なども、すべてこの仲介手数料の中に含まれているはずなんです。
それなのに、別途「書類作成費」などと称して費用を請求してくるのはおかしな話です。
こんな項目は請求できませんので、きっぱりと断りましょう。


そもそも交渉する必要ない

上でも説明した通り、仲介業者が本来請求できるのは「仲介手数料(家賃の0.5か月分)」までです。
それにもかかわらず、実際には家賃1か月分の手数料を当然のように請求し、さらに「除菌消臭・消毒費用」「防虫費用」「書類作成費」などを勝手に上乗せしてくる業者も少なくありません。
挙げ句の果てには、本来自由に選べるはずの火災保険まで特定のものを一方的に指定してくる始末です。

もちろん入居費用の中には「敷金・礼金」や「前家賃」など、管理会社や大家が指定しており、交渉が難しいものもありますが、少なくとも「除菌消臭・消毒費用」「防虫費用」「書類作成費」などは仲介業者が勝手に上乗せしているものになるため、絶対に支払いは避けたいところです。

法的な部分を説明し、強気に仲介業者と交渉してもいいですが、正直、こんな費用を請求してくる業者は「最初から利用するべきじゃない」でしょう。


仲介業者は自由に選べる

よくある勘違いなのですが、仲介業者はあくまで仲介をするだけの業者なので、その賃貸を紹介してくれるのは、別に他の仲介業者でも大丈夫なんです。

専任物件といって稀に1つの業者でしか扱っていない物件もありますが、ほとんどの物件はどの仲介業者でも契約することが可能なのです。
にもかかわらず、いきなり街の不動産屋にふらっと入って紹介された物件をそのまま契約してしまう人が多いのですが、これは非常に損をしやすいパターンです。


具体的な手順

まずは、SUUMOやホームズなどのインターネットの物件情報サイトで物件を探しましょう。
そして、よさそうな物件を見つけたら、必ずメールやLINEなど履歴の残る方法で、複数の不動産会社に見積もりを取るべきです。仲介業者によっては紹介の前の見積もりを出し渋る場合もありますが、そんな仲介業者は利用すべきじゃないでしょう。

こうして複数社から見積もりをもらい、最も安い業者を選んで内見・契約することで、無駄な費用を大幅に抑えることができます。


もっと簡単な手順

相見積もりをとることで、優良な仲介業者を選んで契約した方がいいことは分かったと思います。

しかし、実はそんなことすらしなくても良いんです。
ここまで手間をかけなくても、最近では、優良な業者を効率よく見つけられるサービスや、利用者の負担を減らす仕組みを整えた仲介サービスが出てきています。

業界全体がブラック寄りだからこそ、逆に「良心的な業者」というだけで、需要がある時代になってきているわけです。
ここでは、特におすすめできる優良な不動産仲介サービスをいくつかご紹介します。


1. リベ大不動産

地域は東京や大阪、愛知など都心部に限られますが、最も頼れる仲介業者と言えるでしょう。

もともとは「リベラルアーツ大学」というYouTubeチャンネルから派生し、設立された経緯があります。
リベラルアーツ大学自体が「お金を守り、稼ぎ、経済的自由を目指す」YouTubeチャンネルのため、非常に良心的で優良なものになっています。

少なくとも、適正な価格で仲介を行ってくれる業者だといえるでしょう。

参考:

リベ大不動産
リベラルアーツ大学


2. 39room

リベ大不動産の非対応地域の場合は、この39roomさんがおすすめです。

このサービスでは、どんな物件でも仲介手数料が無料、もしくは最大でも39,000円と明確に設定されています。
オンライン完結型の仲介サービスで、全国対応が基本です(※内覧は都市部以外では対応不可の場合あり)。

電話・メール・LINEなどを使って、やり取りや手続きもすべてオンラインで完了できるのが大きな魅力です。

参考:39room


3. イエー!

こちらは正確には仲介業者ではなく、その地域で最も安い仲介業者を紹介してくれるサービスです。

SUUMOやホームズで気になった物件のURLを送り、イエー!と内覧日の調整などを行う形になります。

「除菌費用」や「書類作成費」などの怪しい請求は基本的に避けられますが、地域によっては仲介手数料1か月分が発生することもあります。
ただし、その場合でも、イエー!側で適正価格になるよう交渉済みなので、あまり無理な交渉は控えたほうが良いでしょう。

利用する際は、イエー!の利用規約を事前に確認し、ルールを守って使うのがベストです。

ちなみに、私が利用した際は少し対応がぶっきらぼうに感じたものの、多くの人がイエー!を利用することで初期費用を大きく抑えられているのは事実ですし、信頼できる業者です。

参考:イエー!賃貸最安値検索


終わりに

不動産業界は、グレーどころか真っ黒なことも少なくありません。
何も知らずに適当な仲介業者の言いなりになっていれば、10万円以上損しているケースもざらにあります。

しかも、相手は不動産のプロ。こちらが法的に対抗しようとしても、それなりの知識と準備が必要です。
もちろん、知識をつけて強気に交渉するのもひとつの手ですが、多くの人の目的は単に「ぼったくられないこと」ではないでしょうか。

その意味で、「最低限の知識を持ち、最初から良い業者を選ぶ」というのが最も確実な方法です。
たとえば、イエー!などを活用して、安心できる業者に仲介してもらえば、それだけでほとんどのトラブルは回避できます。


要するに大事なのはこの2つ

  • 不動産業界には「ぼったくり」が多いという事実を知ること
  • それでも良いサービスは確かに存在するということを知ること

今後も、皆さんの役に立つ情報を発信していきたいと思っています。
よければブックマークや他の記事のチェックもしてみてくださいね。


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